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コラム

デスボイスを使わない理由——「やさしいメタル」という入口

・ 読了目安 約5分 ・ 503 bad gateway

デスボイスを使わない理由——「やさしいメタル」という入口

あえてデスボイスを封印し、クリーンでメロディックに歌う。メタルの間口を広げたい——VTuberとしても活動する伊達五十嵐の、もうひとつの軸。

503 bad gatewayの楽曲には、デスボイス(グロウル)が出てこない。ヘヴィメタルなのに、と驚かれることもあるそうだが、これは技術的な都合ではなく、はっきりとした方針なのだという。

理由は「メタルの"入口"でありたいから」とのこと。「歪んだ叫びは確かにかっこいい。けれど、それが理由でメタルから離れてしまう人も多い。だったら自分は、聴き取れる言葉とメロディで、まずドアを開けてもらう係をやろう——そう決めています」と伊達五十嵐は語る。

メタルは激しいだけじゃない。"美しさ"を広めたい

まず前提として、「やさしいメタル」とは"音楽として聴きやすいメタル"のことで、伊達五十嵐が考えた造語とのこと。デスボイスやエクストリームなサウンドがメタルのステレオタイプとして目立ちがちだが、「本来メタルはもっと自由で、音楽的な振れ幅も深さも持ったジャンル」とのこと。その広い世界の中で伝えたいのは、メロディアスで美しい側面なのだと話す。

「『メタル=ただギャーギャー叫んでいる幼稚な音楽』——そんなイメージだけで誤解されてしまうのは、もったいない」。布教というより、その奥にある豊かさを聴いて共感してもらえたら、というのが正直な想いなのだそうだ。

VTuberとして活動しているのも、根っこは同じ理由とのこと。配信では、メタル初心者にもおすすめできる聴きやすいメタルを紹介したり、作曲の過程をそのまま見せたりしているという。

メロディは、いちばん遠くまで届く

「激しさで殴るのは簡単。でも、口ずさめるメロディは、激しさよりずっと遠く、ずっと長く届く」と伊達五十嵐は言う。疲れて帰る夜にふと鼻歌で出てくるようなフックを、いつも一曲に最低ひとつは仕込むようにしているとのこと。

メタルの強さと、歌のメロディ。その両立こそが、このバンドのいちばんのこだわりなのだという。とはいえ「優しいだけで終わるつもりはありません。音楽で背中を押す、引っ張っていってやる、俺について来い——そんな気概で鳴らしているのも、まぎれもない本心です」と力を込めた。

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